Electroluxとは
Electroluxグループは80以上のブランドを展開している、家電製品分野におけるグローバルリーダーです。世界中に45000人の従業員を擁する同社は、2023年の売上高が1340億スウェーデンクローナ(約1.9兆円)に達しています。
Electroluxは、卓越した顧客体験の創造を最重要視しています。顧客が求めるものを理解し、フィードバックに基づいて顧客の体験を最適化することで、消費者ニーズの充足とビジネス結果の達成のバランスを取るよう、積極的にテストや実験をしていく文化を育んでいます。
彼らのテスト戦略は、「目的、調査、分析」の3つの基本的なブロックで構成されています。このアプローチにより、Electroluxは150以上の市場で年間約6,000万個のプロダクトを販売することが可能になりました。
![[Screenshot] Electrolux carousel](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/4stdGKszcFJvaa0T5zf7pO/51536c7c025bd456d16d498bba6b5e38/Connected-App.jpg?w=3840&q=100&fit=fill&fm=avif)
課題:修理サービスページに隠れていた高い離脱率
Electroluxのテスト戦略の中心にあるのは、Contentsquareのエクスペリエンスインテリジェンス プラットフォームです。Elecroluxのウェブ分析&インサイトマネージャーのRebeiro Jeyapaulと彼のチームは、顧客の行動、顧客の感情、行動の意図に関する定量的および定性的データを収集しています。 Rebeiro氏たちは、修理サービスのページのパフォーマンスを詳しく調査することにしました。製品が故障した際に、顧客はこのページから修理サービスを予約することができます。このページの訪問数とコンバージョン率を改善するために、訪問者がページをどのように体験しているのかを明確かつ詳細に理解しようとしました。
Electroluxチームはカスタマージャーニーを詳細に分析し、ページの重要な最初のステップの1つである製品検索で35%の訪問者が離脱していることを明らかにしました。続いて、顧客が離脱している原因を理解するために、チームはContentsquareに目を向け、この離脱に関するインサイトを探しました。
![[Screen shot] Electrolux repair service page](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/6sOcYhK6bkKUfSkdOoBIFN/d8d7bfbb8e5a9a2d6bbd9ad996282fee/GetImage__2_.png?w=1080&q=100&fit=fill&fm=avif)
![[Screenshot] Electrolux repair site before](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/4lsJiXZUhq0vTjlArxeovx/33c01f0531ff7e6eb4d4fab820fe2e24/GetImage__4_.png?w=750&q=100&fit=fill&fm=avif)
解決策:Contentsquareでフリクションポイントを発見
減少率の原因を明らかにし、修理の予約をする人を増やすため、Rebeiro氏は2つのContentsquareの分析機能を使いました。ページ内のフリクションポイントを発見し、フリクションがユーザーにどのように影響を与えるのかを理解しようとしたのです。
具体的な方法を下記で紹介します。
1. ユーザー体験の中のペインポイントを特定する
セッションリプレイを使用して、Rebeiro氏のチームは、ユーザーが修理サービスページ上で、特に製品検索のステップでどのように行動したのか、ということに焦点を当てました。このステップでは、ユーザーが修理を予約する前に、洗濯機や冷蔵庫のモデルなど、特定の製品を見つける必要があります。
ユーザーセッションを見返していると、チームは繰り返し発生する問題を特定しました。ユーザーが検索ステップで自分の機器に適した製品オプションを見つけるのに苦労していたのです。 彼らは、検索ツールが直感的でなく、正確性に欠け、さらには検索クエリに関連しない結果が表示されていることを発見しました。
![[Screen shot] Electrolux screen recording](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/7oukC2HcwT1OZMbszhxYAY/eff53151041b6cea54ac5042c9f33e3a/Capture_d_e_cran_2024-12-09_a__10.51.56.png?w=3840&q=100&fit=fill&fm=avif)
匿名のユーザーで、チーム内で「Lisa」と呼んでいた人がいました。彼女も同様に製品オプションの選択に苦戦していましたが、検索基準を絞り込み、自分の家電に合った製品オプションが見つけるまで粘りました。しかし、すべてのユーザーがLisaのように根気があるわけではありません。大半のユーザーはページを離脱し、二度と修理サービスページには戻ってきませんでした。
2. ページ上のユーザー体験を視覚化する
ペインポイントが特定できた後、Contentsquareのヒートマップを使用して、ユーザーが修理サービスページにどう接触しているのかを視覚的に分析し、フラストレーションの原因となるエリアを特定しました。
![[Screenshot] Electrolux heatmap analysis](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/5gPvejjmmLFAQ08b2vPDHA/fe173ad5ff188f9f8f6d9d1611b20a54/Capture_d_e_cran_2024-12-09_a__10.53.22.png?w=3840&q=100&fit=fill&fm=avif)
ヒートマップ分析により、ユーザーが予約をする際に予約と関係のないボタンをクリックしてしまっていることがわかりました。例えば、ヒートマップ機能では下記を見ることができます。
クリック分布:ユーザーが最も頻繁にクリックしたページ上のエリアをハイライトで表示
魅力度:ユーザーが最も関心が惹かれたと感じた要素を特定する指標
露出率:特定の要素がユーザーに表示された割合
これらの指標は、ユーザーがページをどのような順番で見ているのか、どのセクションをよくクリックしているのか、そしてフラストレーションを減らし、予約体験を向上させるためにどこを改善する必要があるのかというインサイトを提供します。
![[Customer logo] Electrolux](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/4UWQy34sz4Pery8OC5TV6S/40bd0d48ad0a5b359a9064a026baaf3d/Electrolux-logo.png?w=3840&q=100&fit=fill&fm=avif)
"私たちはヒートマップで魅力度と露出率を調べ、ユーザーがどのような体験をしているのか、ページ上でどこに影響を与えているのかを理解しようとしました。このデータに基づいて、どのセクションがうまく機能しているか、また機能していないのかを特定しました。"
![[Headshot] Rebeiro Jeyapaul, Web Analytics & Insights Manager at Electrolux](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/4mrfBP7ZCFJf3xVmGR3Enj/eafa4a5efe9dcccc54a809db1af6d022/Rebeiro_Jeyapaul__Web_Analytics___Insights_Manager_at_Electrolux_.png?w=1080&q=100&fit=fill&fm=avif)
3. 新しいデザインをABテスト
これらのインサイトに基づいて、チームは新しいデザインを開発しました。そして、元のページを対照群として、再設計されたページをバリエーションとしてABテストを実施しました。
わずか3週間で、彼らは良好な結果を把握しました。しかし、デザインを急いで実装するのではなく、再設計のどの側面がうまく機能しているのか、その理由を分析するために一度手を止めることにしたのです。
![[Screenshot] Electrolux AEG repair service page’s variant test design](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/27wIxmJkPQJm8j4ey0fGWP/1c7b7632fed319ea2818d6830f22bcca/GetImage__6_.png?w=1200&q=100&fit=fill&fm=avif)
![[Screen shot] Electrolux repair service page’s variant test design](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/24W5CVrOxuIt0CEDu3W9Vv/3bcf40b39ddf0268a4388ea9e7a28291/GetImage__3_.png?w=1080&q=100&fit=fill&fm=avif)
Contentsquareのヒートマップを使用してクリック率を見ると、ユーザーがバリエーションページの重要なエリアをクリックしていることがわかりました。これにより、新しいデザインが目的を達成していることが確信に変わりました。この分析結果をもとに、チームはいくつかの小さな調整を行い、最終的にページの最終バージョンをリリースしました。
![[Screenshot] Electrolux final version](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/qqqdXxsQHaSJyNVWZBPDg/f3d0652f35c39cffda3624dde44a029e/GetImage__7_.png?w=1920&q=100&fit=fill&fm=avif)
![[Customer logo] Electrolux](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/4UWQy34sz4Pery8OC5TV6S/40bd0d48ad0a5b359a9064a026baaf3d/Electrolux-logo.png?w=3840&q=100&fit=fill&fm=avif)
"データに立ち返り、何がうまくいっているのかを理解する必要があります。Contentsquareのインサイトから、ユーザーが最も重要なエリアをクリックしていることがわかりました。これは、私たちが意図した通りユーザー体験を提供できていたということです。"
![[Headshot] Rebeiro Jeyapaul, Web Analytics & Insights Manager at Electrolux](http://images.ctfassets.net/gwbpo1m641r7/4mrfBP7ZCFJf3xVmGR3Enj/eafa4a5efe9dcccc54a809db1af6d022/Rebeiro_Jeyapaul__Web_Analytics___Insights_Manager_at_Electrolux_.png?w=1080&q=100&fit=fill&fm=avif)
結果
この反復的かつデータに基づいたアプローチにより、サービス修理ページに大幅な改善が見られました。わずか3週間後に、下記の結果が確認できたのです。
-8%の離脱率の減少
+4%の予約完了率の増加
ユーザージャーニーの重要なステップ(製品の検索機能や予約フローなど)を最適化することで、Electroluxの修理サービスページではよりスムーズで直感的なユーザー体験を実現できました。その結果、訪問者のエンゲージメントが向上したことがわかります。
Electroluxのテスト文化がもたらす成長
Electroluxは、学習、実験(テスト)、継続的な改善を優先する文化を築いてきました。仮定ではなくデータに基づく決定を重要視し、顧客体験がすべてのテストと変更の中心にあります。
2022年、エレクトロラックスはデジタル体験分析プラットフォームのContentsquareとABテストツールのOptimizelyを利用して204のテストを実施しました。その結果、ABテストは20%の成功率に達成し、42のテストが意義のある結果をもたらしました。 2023年には、テストの数は171まで減少しましたが、成功率は27%に大幅に改善され、意義のある結果をもたらしたテストは47まで増えました。
購入ジャーニーのコンバージョン率も28.6%増加しました。新規リードのコンバージョン率は同年の第1四半期から第4四半期にかけて70%成長しました。これらの結果は、彼らの反復的でデータに基づく戦略によってもたらされたことは明らかです。
Rebeiro Jeyapaul氏は最近、スウェーデンの首都ストックホルムで開催されたContentsquareのイベント「CX Circle」で、Electroluxのテストを重視する基盤をどのように構築したかについて講演しました。
こちらから、Robeiro氏の講演をご覧いただけます。(英語)
まとめ: Electroluxが用いた戦略を自社で活用するために
Electroluxのようなテスト文化を構築したいブランドのための3つのステップ
テスト結果からインサイトを得て、ユーザーに最も響くアイデアを優先順位付けするために、Robeiro氏は次のステップを推奨しています。
1. 目的からテストを開始する
Robeiro氏と彼のチームは最初、テストにおいて最重要であるステップを見落としていました。彼らはまず明確な目的を定義するのではなく、調査から始めていたのです。しかし、テストの回数を重ねるにつれて、明確な方向性を持つことがテストの成功に不可欠であることに気付き始めました。
明確な方向性を持つためには、いかなるレベルでも測定できる成功指標を定義しなければなりません。通常、会社は3つのレベルで構造化された目的を持って運営されています。
レベル1:ビジネスKPI - 経営陣によって設定されたレベルの目標で、全体的な会社の戦略と一致するもの
レベル2:機能別KPI - より広範囲なビジネスのゴールをサポートするために各部署に課せられた目標
レベル3: 業務運用KPI - 個々の活動に結びついた日々のパフォーマンスを測るための指標
これらのパフォーマンス指標を事前に定義して、組織が何を達成しようとしているのかを理解しなければなりません。そうすることで、実施したテストの結果を各レベルのKPIに結びつけることができるようになります。
KPIはグロースツリーのように機能します。あなたの業務運用KPIは部署全体の機能別KPIを支え、機能別KPIはビジネスKPIを支えています。
例えば、Eコマース業界では、売上収益が主要なビジネスKPIであることが多く、リーダーシップはその重要性を強調しています。売上収益KPIの向上を実現するには、この高レベルの目的を、すべてのレベルにおける具体的で測定可能な指標に分解する必要があります。このアプローチにより、すべてのテストや、それに伴う取り組みが全体的なビジネスゴールに結びつくことが保証されます。
2. 徹底的な調査を行う
最初に何をテストするかについて、関係者はよく対立する意見を持っています。これを解決し、テストに必要な適切なデータを収集するために、Rebeiro氏とそのチームは3D、三角測量アプローチに従っています。
3D、三角測量アプローチは下記3種類のデータを収集・調査することを意味しています。
定量的データ:セッションリプレイやGoogle Marketing Platform(Google Analytics 360 Suiteを含む)などのツールを使用して重要な指標を収集し、ユーザー行動を理解する
定性的データ:ヒートマップやGoogle Search Consoleのようなツールを活用して、各ユーザーがどんな経路でサイトにアクセスし、何をクリックし、どんなジャーニーを歩んでいるのかを分析する
ユーザーフィードバック:Qualtrics XMやContentsquareのVoC機能などのツールを通じて直接的な入力を収集し、顧客のフラストレーションを理解し、最適化のためのエリアを特定する
仮定や意見ではなく、データに基づいて意思決定が行うには、この調査方法が役に立ちます。この3つの角度から徹底的な調査を行うことにより、テストの焦点を絞り、成功を導くことが可能となります。
3. 優先順位をつけてデータを分析する
調査中に見つけたインサイトはすべて価値があるように思えるかもしれません。しかし、予算や時間が限られている場合は、優先順位付けが重要です。
Robeiro氏とチームは重要性と関連性に基づくスケールを利用して、各テストの目的を評価し、優先順位付けを行います。彼らは、あまりにも多くの目的を持つと成功を効果的に測定することが難しくなるため、1つか多くても2つの目的のみを選択するようにしています。
独自のテスト文化を構築する際に念頭に置くべきその他のヒント
データでインサイトを検証する:常に仮定や検出を信頼できるデータで裏付けし、意見ではなく事実に基づいて意思決定をするようにしてください。
常に反復する:各テストの結果を改善のための足がかりとして使用し、データに基づくアプローチを磨いていきましょう。繰り返すことで、アプローチが洗練されていきます。
継続的なサイクルでテストを実施する:テストは1回成功したからといって終わるものだと思いません。変化するユーザー行動やビジネスニーズに適応するための、学び、テスト、最適化の継続的なプロセスなのです。